Eiji Yamamoto Photography「Impressionism PhotoArt 印象派写真」


「Nostalgic harmony 地図にない場所」ヨーロッパの田舎の風景や中世の面影を残した城跡、街並みに出会ったときに、この景色は何十年、何百年と変わっていないんだろう、きっと中世から同じ光景なんだろうと郷愁に似た感情を抱きます。といっても現在の風景は道路が舗装され、色とりどりの電飾看板があり、田舎には電柱・電線もあり、また車も走っているので、それらがない当時の姿を頭の中で思い浮かべて、そのように感じています。

そして中世の砦跡、昔の石垣、階段、庭園跡を目にすると、今は人がいない場所なのに、ここにはたくさんの人がいたのだろう、庭園跡も今は水が流れていなくても、当時は花があり水が流れていたのだろうと想像することがあります。同時にここで時間を過ごした人もいたに違いないと想像します。ただ座っていたり、本を読んだり、ぼーっとしていたり。または目の前にある建物や庭園がさらに広がっていくところを想像していたり。

この作品シリーズ「Nostalgic harmony 地図にない場所」では、そのような郷愁を感じながら、印象派写真でそのような世界を作り、そこでの時間を表現してみました。現代でも昔でもない架空の時代の架空の場所です。この「地図にない場所」の自然の音、遠くで響く教会の鐘の音、そこに吹く風や水の冷たさなど、のんびりとした時間の流れやそこにいる人の感情、そしてそれぞれ一枚一枚の中にある物語を感じていただければ、ヨーロッパを旅した人が感じるであろう中世のノスタルジーが、新たに色を伴ったイメージとなって心の中に広がってくるかもしれません。




Impressionism PhotoArt 印象派写真とは多重合成やソフト(フォトショップ)で何枚かの写真を重ね合わせて新たな世界を作り出す写真です。それらの写真は写実的ではなく、合成によるにじみや曖昧さで印象的な世界を作り出します。絵画の印象派に似ていると感じることもあります。

■また写真を重ね合わせる印象派写真はオーケストラの音楽に似ている気がします。写真一枚一枚は言ってみれば楽器です。例えばヴァイオリンであったり、チェロであったり。それぞれの楽器はソロとしてそれだけでもメロディーを奏でられます。単純にそれらの演奏を重ねるだけでは、ごちゃごちゃした印象しかありません。写真も同じくです。しかしそれをピッチや調を合わせて、複数の楽器でテンポやリズムを意識して合奏するならばソロで弾くときとは違った光景が見えます。その際に、出るところは出て、また伴奏に回ったり、効果的に弾かなかったりと様々な方法、演出があります。写真を重ねるときも同じです。順番や合成種類を変えれば、そこに一つのハーモニー、メロディーが生まれます。それを大切にして、作品を作っています。

ここより下のギャラリーでは上の方に比較的多くの最新作品が並んでおり、初期の作品は下部に多くあります。初期の作品は多重露光の延長にあり、重ねることに楽しみがあり、1)単純に重ねたもの、2)広告的なもの、3)物語性を意識した一つの情景的なもの、となっています。しかし最近の作品では、上の作品のように物語性を最重要に考え、一つの情景的な世界を作ることを意識しています。

制作環境 / VAIO Z Canvas, Sony VAIO Z(Adobe RGB) / Adobe Photoshop, Lightroom / X-Rite ColorMunki Photo / EPSON SureColor P600(日本名 SC-PX5VII) / Hahnemuehle Matt FineART William Turner 310g/m2









■2015年8月4日-8月9日、京都駅前地下街ポルタ、ポルタギャラリー「華」にて個展「重なる写真が広げる世界」開催

写真展のテーマは「デジタル合成で重ね合わせた写真」です。デジタル合成と一言で言っても様々あります。例えば、
・コンサートのチラシなどで背景に写真を重ねる「通常」
・ハイライトを合成する「スクリーン」
・影を合成する「乗算」
・天体写真で見られる星の軌跡「比較明合成」
・同じ風景で露出の違う画像を重ね合わせた「HDR」など。
写真の選び方、重ねる合成の種類、順番などを変えることによって無限の可能性があります。

例えば多重露光の画像にさらに写真を重ねたり、モノクロ画像とカラー画像を重ね合わせたり。フイルムカメラやデジタルカメラで撮影した画像をPCに取り込み、重ね合わせて構成し、プリンターで出力します。重ねる写真画像の枚数やその重ね方、順番を変えると不思議なイメージが生まれることや、色が混ざり絵画的な印象が作り出されることがあります。写真画像を重ねることで写真が持つ物語性や世界観が更に広がっていく・・・。多重イメージによる画像、そのような作品を展示・販売しています。是非、ご高覧ください。

今回は全ての作品においてドイツ、ハーネミューレ社(1584年設立)でモールドメイド製法によって作られたコットン100%のマット・ファインアート紙「ウイリアム・ターナー」にプリント。 A3サイズ並びにA4サイズ。

展示は絵画的なものを意識して写真一枚ごとに額とマットを選びました。写真額とデッサン額です。同時に作品毎にマットを選びました。厚さは3種類、色は2種類。展示はリズム感を意識し、照明は天井とスポットライトで、テクスチャの荒いマット紙を演出しています。

オリジナル作品は額装して販売しております。





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